夫の元妻から出て行ってほしいと言われ・・・(配偶者短期居住権に関する事例)
2020.05.13更新
事 例
私(Xさん)の夫が亡くなりました。遺産には、生前私も一緒に暮らしていた夫名義の建物もありましたが、遺言書では、その建物を夫の元妻に遺贈すると書いてありました。遺産には他に十分な預金等もあり、私の遺留分は侵害されていないようです。
夫が亡くなってから1週間が経ち、夫の元妻から出て行ってほしいと言われていますが、私はすぐに出ていかなくてはいけないのでしょうか。
解 説
今回のケースでは、配偶者居住権をBさんが取得することは難しいと考えられます。
しかし、夫が亡くなった時点で、夫名義の建物にXさんが無償で居住していたのであれば、Xさんに「配偶者短期居住権」が認められます。この権利が認められる場合、今回のケースでは、「建物を遺贈により取得した元妻から配偶者短期居住権の消滅の申入れがあった日」から6ヶ月を経過する日までは、居住建物について無償で使用することができます。
ただし、夫の生前に、Xさんが建物の一部のみを無償で使用していた場合は、その部分のみが配偶者短期居住権の対象となりますので注意が必要です。