相続とは?
相続とは、被相続人の死亡などを原因として、その人の財産上の地位を、相続人が受け継ぐことです。
相続開始原因
死亡
相続は、原則として死亡により開始します(民法882条)。
※水難事故や火災事故で死亡したのは確実であるが、遺体が見つからない場合など役所が死亡の認定をすることがあります。これを認定死亡といい、この場合ももちろん相続が開始されます。
失踪宣告
不在者が7年間生死不明の場合やある人が事故などに遭われて1年間生死不明の場合は、利害関係人の申立てにより家庭裁判所が失踪宣告をすることができます。この場合も相続が開始します。
相続の承認・放棄
相続が開始すると、相続人は単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかをしなければなりません。
単純承認
単純承認とは、相続人が被相続人の権利義務全てを相続することです。単純承認は、各相続人が単独ですることができます。
また、次の場合には、相続人は単純承認したものとみなされます。
- 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。
- 相続人が相続を知ってから3ヶ月以内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
- 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後に相続財産を隠匿したり、勝手に消費したりした場合、または、わざとこれらの行為を相続財産の目録に記載しなかったとき。
限定承認
限定承認とは、被相続人に負債がどの程度あるか不明の場合に、相続財産を責任の限度として相続することで、相続財産によって借金などを弁済した後、余りが出ればそれを相続できる制度です。
◆限定承認の方法
相続人が数人いる場合、相続人全員が共同でなければ限定承認をすることはできません。
したがって、相続人の一人が単純承認した場合は限定承認をすることはできないため、現在ほとんど利用されていません。
限定承認をする場合、全相続人は相続があったことを知ってから3ヶ月以内に財産目録を調整して、これを家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申述しなければなりません。
◆限定承認の効果
限定承認をした場合、各相続人は相続で得た財産をもって、被相続人の債務などを弁済すればよく、相続人固有の財産によって支払う必要はなくなります。 そして、相続財産のプラス財産がマイナス財産よりも多かった場合、その差額を各相続人が相続します。
相続放棄
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利義務を一切承継しないようにする制度で、各相続人が単独でできます。